イリスは、別名「オリス」「アイリス」「オリスルート」などと呼ばれているアヤメ属の植物で、ラテン語表記のIris(英名:アイリス、仏名:イリス)から来る名前。ギリシャ神話の女神「イーリス」が由来。
薬効成分を活かしたヘルスケアに使う精油と言うよりは、独特な香りで希少価値も高い精油のため、高級な香水などに香りを楽しむ目的で使用されている精油です。
今回は精油で作る、簡単な香水の作り方をご紹介します。市販されている合成香料で作られた香水は、香りが強く、長い間香るのが良いところですが、合成香料の香りが苦手な方にはきつく感じることもありますよね。天然のアロマオイル([…]
薬効ではなく香水や香料として人気の精油には、他にもネロリやローズ、ジャスミンなど様々なものがあります。
今回はネロリ精油(アロマオイル)の効果効能について紐解いていきたいと思います。 ネロリはビターオレンジの木に咲く花から採れる精油です。 柑橘系のさわやかな香りと、花の香りを合わせ持ち、その[…]
この記事で紹介するのは、以下について。
- イリス(アイリス)の植物の特徴
- イリス(アイリス)精油の効果効能
- 最高級香水の原料となる香りについて
- イリス精油を購入するには?
※2020年3月18日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2020年3月21日に再度公開しました。
イリス(アイリス)|植物の特徴とは?
植物の特徴
アヤメ属の植物で、地中海沿岸などの暖かい地域に約150種類ほど生息しています。日本でも馴染み深く、紫色の綺麗な花を咲かせます。中毒の解毒剤代わりに使われていました。
多年草で地下に球茎または根茎がある。葉は剣形でふつう根生し、茎に跨状に互生する。花は両性で、1個または多数の花を総状につける。花被片は6個で、3個の外花被片と3個の内花被片の形が異なる。外花被片は大型で先が広がり下に垂れ、種によっては外花被片の中央部にとさか状の突起があり、内花被片は小型で直立する。花柱は上部が3分枝し、花柱分枝は花弁状になる。雄蕊は3個で外花被片に対生し、花柱分枝の下につく。
参照:Wikipedia
精油名 | イリス、アイリス、オリス、オリスルート、Iris |
学名 | Iris pallida, Iris germanica, Iris florentina |
科名 | アヤメ科 |
蒸留部位 | 根 |
主な産地 | イタリア、モロッコ、中国…etc |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
イリス精油の効果効能
主な芳香成分
ケトン | γ-イロン、α-イロン |
エステル | ミリスチル酸 |
成分まとめ
- イリスは香りを楽しむことが主体の精油で、心身のヘルスケアを目的とした場合、他の精油に勝る薬理効能はない。
- 伝統療法では根が生薬に使われることもあり、リラックス、喘息や気管支炎に効果があると言われる。
- 皮膚刺激のあるケトンを含有しているため、原液や高濃度での皮膚への使用は注意が必要。
- 美白作用が見られたという研究もある。参考:カネボウ化粧品
最高級香水の原料となるイリス精油の香りについて
イリス精油が高級な理由
イリスは、古くから高級な香水や化粧品の原料として使われてきました。
精油の抽出までには、とても手間ひまがかかっているんです。
- 根を収穫するのに2-3年
- 収穫した根の皮をむく
- 皮をむいた根を乾燥させて熟成させる
- 水蒸気蒸留法でイリスバター(固形)を採取(専用の蒸留器を使う)
- 固形では使いづらい場合は更に希釈する
精油は根から抽出されるのですが、根を収穫するのに2~3年、更に収穫した後に根の皮をむいて2~3年乾燥させ熟成させてから蒸留して精油を採取します。
乾燥させたイリスの根
参考:NHK「世界はほしいモノにあふれてる」
精油を抽出するまでに時間がかかり、またごく僅かな量しか採取できないため、最高級品は1kg1,000万円とも言われるほどとても高価な精油です。
水蒸気蒸留で抽出される精油は粘性が高く、液体と言うよりは、イリスバターと呼ばれる半分固体の状態。抽出用には専用の蒸留器を使います。
イリスバター(オリスバター)
参考:NHK「世界はほしいモノにあふれてる」
1トンのイリスの根(オリスルート)から採れる精油(オリスバター)は2kgというので、高価な理由が分かりますね。
▽参考までに、精油1滴の価格を一覧でまとめました。
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イリス精油の香りとは?
イリスの根は、収穫された時には香りが無い、または土臭い球根の臭いで、乾燥と熟成によって「イロン」や「イオノン」という芳香成分が作られます。
香りはスミレに近く、フローラルと穀物的な香りが入り混じり、既に完成された香水の様な複雑な香り。
優美で複雑な香りだけではなく、揮発性が低く、香りの持続時間が長いのも特徴で、他の香料に1滴たらすだけで芳醇な香りを作る「調香師の宝石」とも呼ばれ、保留材としても役立ちます。
稀少で高価な精油ですが、香料として高く評価されていて、シャネルやエルメスなどの高級香水にも使われています。
イリス精油を使った香水
シャネル No.19 プードレ
シルクシフォンが風に舞うように、柔らかで軽やかなパウダリーノート。香りの宝石、アイリス パリダと新世代のホワイトムスクを中心に奏でられる、この上なくモダンで気品あふれる香り。
☆チョッパー☆さん(38歳・女性)
オリジナルの香りをよく知らない無礼者ですが、この香りが大好きです。
店頭でムエットをいただいて、ひと嗅ぎ惚れでした。
毎度ながら、香りの表現が乏しくて申し訳ないのですが…
フレッシュで爽やかなグリーン系の香りから、やわらかいパウダリーへ。
とても上品で、いい意味で、がんばってない。でも、シャキっとした印象です。
最近はやりの『エフォートレス』ってこんな感じでしょうか?
職場にもつけて行きますが、気持ちがスーッとして、仕事がはかどります。
takemeさん(30歳・女性)
これ…ヤバイです(*´`)生涯、使い続けます!!
最初は化粧品っぽいなぁと思っていたのですが、時間と共に石鹸の様な優しい香りになりました♪
そして、何故かこの香り、PMSにもよく効きました(笑)全くイライラしません。
人にも自分にも優しくなれる香り。
ムスクも今までにないムスク。クセがなくムスクが大嫌いな私なのにムスクが大好きになりました。
母性を感じます。
CHANELらしくないかも(笑)
エルメス イリス
ルネッサンスに流行したアイリス(あやめ)の香りが現代によみがえった香り。落ち着いた品のいい甘さと清々しさが特徴的。
艶kaさん (33歳・女性)
1番好きな香水です。
出会いは、雑誌に付いてたサンプルでした。
22、3歳の頃だったので、エルメスなんて高級すぎて合わないだろうと、恐る恐る付けてみると。
と~っても上品な大人の香りに虜になりました。
以後、お気に入りの1品です。
たまに浮気もするけど、この香りに勝るものはなく、
これからも愛用します。
たっちゃん漬さん(29歳・女性)
7年ほど前に、アヤメの香り、なんてステキ!と、この香りに衝撃を受け背伸びして買いました。これの似合う女性になりたいって思ってました。
ただやはり若造には雰囲気も合わず、まだ早かったか…と思い大切に保管してました。
数年経っても香りの劣化を感じず、20代後半に差し掛かった頃、すんなりと受け入れられ体に馴染むるようになりました。こんな私もいつの間にか大人になってたのね…と改めて思いました。似合っているのかは分かりませんが…。
上品で凛とした淑女ぽくもある香り、ウッディだったりムスキーだったり少女のようにアヤメの香りも…芯はしっかりブレないのに体温によりビミョーに変化する香り、寝る前に纏うとリラックスして眠りにつけます。また、背筋がシャンと伸びる香りでもあり、むしろ美しい姿勢でないと似合わせない香りでもあるのでココ一番気合いを入れたい日(仕事などで)に使います。
持ちも良く濃い香りなので微かに纏うくらいでないと日中は香水キツイと思われてしまいます、一般受けはしないですがなかなかない珍しい香りですし品の良さは感じられるものなので、つけていて、この香りを好きって言ってくれる人が好きです。
これも余り広めたくない大好きな香りです。
ランコム ラ・ヴィエベル
思わず微笑みがこぼれる自由の香り。トップからラストまで続く、貴重なアイリスの香りに加え、深みのあるパチュリの香り、思わず微笑を与えてくれる甘いグルマンアコードをブレンドした香りです。
ぺこぺこんぬさん(22歳・女性)
いちばん好きな香水で、冬はいつもこれです。
結構甘い匂いなので好みはわかれるかもしれません。
甘いけど、上品や大人の女性の香りです。
朝腕に1プッシュで夜まで香ります。
のんママさん(35歳・女性)
海外のお友達からのプレゼントの中の1つがこちらでした。ボトルから漏れる香りは、シャネルのココマドモアゼルにそっくりで、何日かつけるのを躊躇っていました。(ココマドお好きな方申し訳ありません、少し苦手なんです)でも感想を言わないといけないなぁと思い、お腹に半プッシュしてみました。…すると、予想を反して甘い甘い香りがして、一瞬酔いそう?と思いましたが、甘い甘い香りの下に潜むココマドに似た香りがただ甘いだけでなく、すっきりと?大人っぽさがあるような感じにまとめてくれていて、不思議と酔いませんでした。
うまく言えませんが、冬にぴったりの香りで、めっちゃ気に入りました。なんか病み付きになります。
イリス(アイリス)精油を購入するには?
稀少な精油で店頭ではなかなか見かけないイリス精油ですが、インターネットで購入することが可能です。
高価な精油なので1mlから購入できます。通常販売している精油は10mlが多いですね。
また、イリス精油は原液の状態では粘土が高く半固体状態のため、希釈したものも販売されています。
イリス精油 1ml 10%希釈液
イリス精油 50ml 10%希釈液
香水や精油など、香りの大好きな方に是非一度は香っていただきたいイリス精油でした。
気になる方は是非お試しください。
今回は精油で作る、簡単な香水の作り方をご紹介します。市販されている合成香料で作られた香水は、香りが強く、長い間香るのが良いところですが、合成香料の香りが苦手な方にはきつく感じることもありますよね。天然のアロマオイル([…]
※2020年3月12日(木) NHK「世界はほしいモノにあふれてる」でイリス精油・イリスバターが紹介されました。
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