精油に含まれる薬効成分は、どうして身体に効果があるのでしょうか?
皮膚は本来、以下の様なカラダの器官を保護する「バリアゾーン」の役割があります。
- 外からの異物(ウイルスや細菌)の侵入を防ぐ
- 身体の内側から大切なもの(体内の水分など)を外に出さない
お風呂に入っていて、血中にお風呂のお湯が入ってしまうことはありませんよね。

皮膚のバリアゾーンとは?
バリアゾーンは角質層と顆粒層の中間にある透明層に5~10ミクロン程度の厚みをもった層の事を言います。
バリアゾーンには皮脂膜と角質層があり、身体の中からの水分の蒸発を防いだり、外的な刺激から体を守ってくれています。
こういった性質から、通常はお肌に化粧水を塗ったりしても身体の中に浸透することはありません。一番外側の皮膚のアカとなる角質層をたっぷりと保湿するだけ。。。
ただ、バリアゾーンの特性を活かし、経皮吸収される物質もあります。
参照:SARAVIO
バリアゾーンの性質とは?どうすると吸収される?
バリアゾーンから吸収されやすい物質
- 肌の細胞が脂で出来ているため、油溶性の物質が吸収されやすく、水溶性のものは吸収されにくい。(精油は親油性のため、血液にまで入ると言われています)
- 皮膚表面を覆っている皮脂は、脂であっても親水性をもっているので「長時間の接触」があれば水溶性物質も吸収される。
- 金属では水銀、ヒ素、鉛は皮脂に存在する脂肪酸と結合して吸収されます。硫黄も皮膚から吸収されるもののひとつ(例:温泉 硫黄泉などにつかると硫黄が補給されます)
- フェノールやサルチル酸がよく吸収されますが、塩化ナトリウムになると吸収されません。
- (皮膚表面は皮脂で覆われているため)ビタミンではA,D,Eなどの油溶性は容易に吸収されますが、Cなどの水溶性は吸収されにくい。
- ホルモンに関しては、ステロイド系のホルモンは簡単に皮膚を通過し、吸収されます。
- 合成界面活性剤は簡単に肌に入り、バリアゾーンを壊します。肌が荒れます。
- 油性の基剤にあっては、空気の通りの悪いものほど、吸収を高める働きがあります。したがって、粉末より液剤、液剤よりもクリームタイプ、つまり乳化されているものがもっとも浸透力が強いということになります。
参考:マイベストプロ
また、分子量では500以下のものがバリアゾーンを超えるとも言われています。
毛穴や汗腺から吸収される分子量は1000以下であり、細胞間や細胞内より吸収される分子量は500以下とされています。
参照:SARAVIO
精油は肌の深部に経皮吸収され効果が届く!?
精油は、
- 親油性
- 分子量が500以下(精油の分子量は250)
このような特徴があるので、経皮吸収され、精油の持つ薬効成分が血中に入り、身体に効果効能があると言われています。

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精油成分を身体に届けるときはジェルを使う
精油は分子量が小さく、皮膚に塗るとバリアゾーンを超えて血中に運ばれることが分かりましたが、多くの精油には皮膚刺激となる成分も含まれています。
皮膚刺激を抑えるために基材と呼ばれるクリームやジェルと混ぜて希釈するのですが、油性のクリームやオイルなどの分子量は1000以上あり、経皮吸収されません。
また、精油は親油性のため、クリームなどの油性の基材と混ぜるとしっかりくっついてしまい、経皮吸収されず皮膚表面に留まってしまいます。
そこで、親水性のジェルと精油を混ぜる事で、皮膚刺激を抑え、精油だけがバリアゾーンを超えて経皮吸収されます。
メディカルアロマで使う精油の選び方
このように、精油は経皮吸収されやすい性質を持つので、皮膚に塗ったりと身体に使う場合は、農薬や防腐剤などの入らない、100%天然の信頼できる品質の精油を使う必要があります。
メディカルアロマテラピーで使用できる精油の選び方については、こちらの記事も是非参考にしてくださいね。
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