セージの天然精油に含まれる芳香成分には、スターアニスと同様にエストロゲン作用があります。
他にもホルモン様(よう)と言って、エストロゲン作用の芳香成分を持つ精油はありますが、セージの作用はその中でも強く、更年期障害、生理前症状、PMSなどに広く使われます。
その他、セージには沢山の薬効成分がありますよ!
また、猫にセージを使ってはいけないという話がありますが、その根拠は?
ここではセージの薬効成分について詳しく分析してみたいと思います!
セージの効果効能
植物の特徴
セージには沢山の種類がありますが、精油で使われる一般的なセージは、学名Salvia officinalisと呼ばれるもの。シソ科、アサギリ属の多年草常緑低木で、高さ50-70cmほど。
地中海が原産で紫色の花を咲かせます。和名はヤクヨウサルビア。
古いアラビアのことわざに「庭にセージを植えているものが、どうして死ぬことができようか」とあり、古くから薬効に富む薬草として有名な植物です。
精油名 | セージ |
学名 | Salvia officinalis |
科名 | シソ科 |
蒸留部位 | 花と茎葉 |
主な産地 | アルバニア、クロアチア |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
セージのさまざまな薬効成分を徹底分析!
セージはエストロゲン作用で有名ですが、その他にもたくさんの薬効成分を含んでいます。
55% ケトン | 35% α- ツヨン ・エストロゲン様 |
15% カンファー ・筋肉弛緩、殺虫、昆虫忌避 | |
5% β-ツヨン ・エストロゲン様 | |
15% モノテルペン炭化水素 | 5% α-ピネン ・血行を良くする、強壮 |
5%カンフェン | |
10% 酸化物 | 10% 1.8シネオール ・免疫刺激、免疫促進 ・鎮咳、去痰、抗菌、 ・抗炎症 |
10% セスキテルペン炭化水素 | 5% β-カリオフィレン ・胃酸を抑えて胃を保護する |
- 女性ホルモンのエストロゲンと似た作用があります。α、βツヨンの総量も多いが、エストロゲン作用は精油の中で1番強い。
その他のエストロゲン作用を持つ精油 > スターアニス、クラリセージ、フェンネル
- 風邪や感染症に効果があります。免疫促進作用に加え、鎮咳(咳を鎮める)作用があり、のどの痛みやリンパの腫れにも使われます。
- 筋肉弛緩作用があり、筋肉痛にも効果的。
- カンファーは樟脳のこと。タンスの虫よけに。蚊よけには使えません。
- 消化促進作用があり、胃酸を抑えて胃粘膜を保護する働きもあります。
ペスト(黒死病)の予防として使われたハーブ
中世にヨーロッパで甚大な被害をもたらしたペスト(黒死病)の予防として、医師がマスクの中に詰めていた薬草の一つとして、カンファーが知られています。
セージに含まれるカンファーは感染症予防にも使われていたんです。
ペストはネズミの持った病気をノミ・ダニが媒介して運んだとされていることから、防ダニ・ノミ効果のあるカンファーが役立ったのかもしれませんね。
ペストは、人類の歴史の中で最も致死率が高く、壊滅的な被害をもたらした感染病のひとつ。 ペストとは?ペスト菌が感染することで起きる伝染病であり、致命率は非常に高く、60%から90%に達する。「黒死病」の名[…]
猫にセージは使えない?
猫は人や犬と肝臓の消化機能が違い、セージに含まれるツヨンを分解する酵素が無く、肝臓に蓄積してしまいます。
香りを嗅ぐことには何も問題はありませんが、メディカルアロマテラピーのクラフトで経皮吸収等でセージを使うと血中から取り込むことになるので、注意が必要です。
猫にはセージは使わないでください。